hinajiro読書録

読書録

Anita & Me

hinajiro

 British Films の中でも私が特に好きな映画を紹介します。
 この作品は Meera Syal というBritishーIndianのコメディアンヌのSemi-autobiographical小説を彼女の脚本で映画化したものです。
 70年代、まだまだ移民の少ないバーミンガム近郊の小さな町に住む12歳のインド人の女の子がイギリス人の女の子(アニタ)とのちょっと変わった友情によって、自分自身を見つけ出す成長物語です。
 インド人ファミリーのジレンマ(国では高学歴でリスペクトされるはずなのにという思い)や差別される姿、イギリス人たちの「できるだけ差別をしないように心がけなければ」と必死なのだけれど、どこかしら出してしまう姿がウィットに富んだ脚本でよく描かれたコメディです。
 家族からの重圧を感じたり、自由な雰囲気のイギリス人女子に対して憧れを抱いたりするティーンにさしかかるお年頃の女の子の気持ちもよく書かれています。ただ変にはじけちゃったり、くら~く悩んだりしていないところが魅力なんです。主人公のミーナのエキセントリックさには驚くやら、笑えるやらです。それも「インド人なのに!」という偏見が先に立ってしまうからでしょう。だからこそ面白い映画なのですけどね。

 私の好きなシーンは親戚が Diwali のお祝いに集まった時に、それぞれの家族が子供にパンジャビ(インドの言語の一つ)で詩の朗読をさせたり、歌やダンスを披露させる場面。
 負けじとミーナの母も何かをやらせようとします。ミーナが自分の創作小説を読むのですが、思いっきりバーミンガム訛りの英語でポルノ的内容。慌てて、歌に変えさせるのですが、ミーナが選んだ歌は「Gimmie Da thing」!しかもやっぱりバーミンガム訛り。それでもお父さんはそれにちゃんと伴奏をつけてあげるし、親戚中拍手をしますが、気分を良くしたミーナがとんでもない発言を。(youtube Anita & Me Diwali night でグーグルすると出てきますので、ぜひ見てみてください)
  
 作者の Meera は「Goodness Gracious Me」や「The Kumars at No.42」で、英国で暮らすインド人家族をメインにしたコメディで人気をえて、作家としても映画女優としても活躍しているマルチタレント。
 この映画ではちょっとイヤな奴的な親戚のおばさん役で出ていますが、「Kumar」 ではおばあさんに変装しています。その変わりようは半端なく徹底していて、わかって見ていても「一体どこをどうやったら、あんなに違う見た目になるのだろう」と不思議で仕方がありません。
 「Goodness Gracious Me」は本当にきわどいです。自分たちでインド人を笑っているのでもあるし、イギリス人を笑っている感じでもあります。When was the last time you saw an white doctor? なんてツボです。私もこの間歯医者で「来週は Dr. Khan はお休みなので、Dr. Patel が替わりになります。」といわれて笑ってしまいました。一番のお気に入りは 「Da Vinci is an Indian.」彼らにかかるとロイヤルファミリーもトムクルーズも、サンタクローズだってインド人なんです。(youtubeでご覧ください)

 ちなみに映画でもコメディ番組でもみんなインド訛りの英語を話していますが、実はほとんどの出演者が British Born で、普段は English-English を話します。インド訛りの英語はいわゆるミミックなのですが、本当にみんな上手いですよねー。  
 
 肝心の映画の内容については上手く書けませんでしたが、人種差別問題をブラックユーモアで表現した作品です。英国の抱えてきた移民問題を鋭くもあり、それでいて人間味溢れる温かい視点で描いている奥の深い素晴らしい映画です。
 少し前の英国の移民の生活に興味のある方、英国で暮らすインド人に興味のある方(いる?)を中心に、ぜひ多くの人々に観ていただきたい映画であります。
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