hinajiro読書録

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どうにかこうにかマクベス読了

hinajiro
  

 マカヴォイの舞台を来週に控えて、なんとか読み終わりましたよ。
 ストーリーは単純。スコットランド王の片腕で優秀な武将だったマクベスが、魔女たちの予言にそそのかされ、王を殺し自分が王座に君臨する。邪魔になりそうな者も罠にかけ始末するなどするが、最後にはあっさり王の息子たちに仕返しされてしまう、という話。
 なんとなく誘惑に負けて手を血で染めるが、それを自身で抱える精神の強靭さは兼ね揃えてない、苦悩する姿がこの物語の核となるのですね。
 それにしても、マクベスをそそのかしたのは「魔女たち」で合っているだろうか?いくら元々野心があったとしても得体のしれない他人の言葉にそう易々とのせられやしないだろう。どちらかというと奥さんの後押しが最もマクベスを動かしたところではないだろうか。ところが、この強気の奥さんも後には良心の呵責に苛まれてか、はたまた弱い夫との生活に疲れ果ててか、世継ぎを産めないプレッシャーによるものか、精神を壊していくんですねぇ。
 ここが一般的に「人間らしさ」を描いている「売り」の場面なんでしょう。でもなんとなく「よくいる主人公たち」って感じてしまうんですよね。それより、私にとって一番魅力のある人物はダンカン王の息子であるマルコム。彼の方がなんというか独特のキャラクターをもっていると思うんです。
 王が殺害された時点では呆けたまま逃亡という腰抜けぶりだったけれど、あとから立ち上がります。好きなシーンは、彼が自分の様な者が王になっても欲をだしていい国を作れやしないだろう、同様暴力で国を抑えていこうとするだろう、と自身を否定し謙遜するセリフ。よくもそこまで、というくらいに自分自身をけなします。
 そこで「そんなことはない。あなたならきっとこの国を良いものに」みたいな激励と後押しみたいなのを得て立ち上がるのですが、そこの息子の計算づくなのかどうかが気になるところ。「こんな正直で冷静に物事を判断できる男に国を任せてみたい」と思わせるのが目的のセリフなのか、それとも本当に正直に気持ちを吐露したセリフなのであろうか。
 
 ストーリーの展開が早く、よく読まないと雑に感じる強引な場面の移り変わり、ちょっと置いてきぼりをくらったような気がしたのですが、訳者による解説を読むと、現存しているマクベスは、時間制限のある宮廷で披露される劇にするためにかなり削減されたものなのではないかとのこと。そう考えると納得できる。たとえば、最後にマクベスを討ったマグダフはなかなか正義感が強く男気のある人物なのだが、妻と子に一言も告げず我が身だけ逃亡し結果的に彼らを見殺しにしている。あれだけ強気だったマクベス夫人もいつのまにやら心の病に伏せている。
 
 こういった作品は本編だけじゃ楽しめないですね。解説を読んで初めて咀嚼できることがたくさん。
 作品の書かれた歴史的背景や、色々な解釈を知ることができるのもいいのですが、訳者の福田氏のシェイクスピア作品に対する愛と情熱はひしひしと感じることができることも嬉しい点です。正直、本編、私自身はそれほど楽しんでないんで(汗)!


 ところで、うちの Captain R もグローブシアターに「ロミオとジュリエット」を見に学校で連れて行ってもらったのですが、何を話しているのかがサッパリだったそうです。
 朝からお弁当を作り、お迎えの時はロンドンから帰ってくるバスが渋滞に巻き込まれたため学校の前で一時間待たされたのですが、どうだった?と訊いた私に真顔で

 ジュリエットがブスだったんだよ

の一言だけ。いかにもあたしの子供だなぁ、この感想・・・・・・・

 来週の今日はいよいよマカヴォイのマクベス。書くことがあるくらい多少なりにも理解できればいいんですけどねぇ・・・・・この点々が自信のなさを象徴・・・・・
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